【ドラマ】アンサングシンデレラ【6話】を現役薬剤師がレビュー

皆さんアンサングシンデレラ6話は見ましたか?

6話では薬にまつわる話も多く私としては中々ツボな回でした!

本記事では現役薬剤師のモモが6話のレビューを書きたいと思います。

一部ネタバレを含むのでご了承ください。

また薬剤師向けの内容になっています!

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【ドラマ】アンサングシンデレラ【6話】を現役薬剤師がレビュー

6話では月経困難症、抗菌薬によるクロストリジウム腸炎、酸化マグネシウムによる高Mg血症についての話でした。

月経困難症の治療と セントジョーンズワート

新人薬剤師の相原くるみが初めて一人で服薬指導する相手として月経困難症の患者が出てくるストーリーでした。

月経困難症とは月経中に起こる病的症状を言い、下腹部痛や腰痛、頭痛などの身体的症状や憂鬱やイライラの精神的症状まで様々です。

今回は、服用していた薬剤がセントジョーンズワートの併用により薬効が減弱していた例でした。

セントジョーンズワート自体は薬学生でも必ず学ぶ上、相互作用を起こす薬剤も多く、添付文書にも必ず記載があるものです。

私自身は紅茶屋さんでたまたま見たことが有りましたが、通常の方法では中々お目にかかることが有りません。

よって薬剤師的には日常では確認が抜け落ちる部分でもあると思います。

今回は患者のインスタから見つけるというアクロバティックな感じではありましたが、実際には医師でも気づくのが難しいポイントなので相原くるみも良い仕事をしましたね!

酸化マグネシウム長期服用による高Mg血症

刈谷さんが薬局薬剤師として働いていた頃、酸化マグネシウムを長期投与している患者が高Mg血症を起こした例でした。

酸化マグネシウムは便秘の薬として現在でも非常に人気があります。

まず、安く、効果が比較的緩やかで、症状によって調節できるという利便性が非常に患者、医師共に人気を集めている理由だと思います。

しかし、最近では低用量で使っている場合や腎機能が正常なケースでも高Mg血症を発症するケースがあり継続的な酸化マグネシウムの投与は問題としてあげられるようになっています。

結構前ですが平成25年の段階でも1000万人以上の人が利用しており、現在になって少しづつ他の薬剤に切り替えている流れはありますが、それでも多くの人が使っています。

薬剤師としても良く処方が有る薬剤の為本当の意味でしっかり指導できているのか?とドラマを見てヒヤッとさせられました。

現実問題、薬剤師が高Mg血症の説明を患者にした所で薬剤変更までもっていくのは厳しいです。

しっかり説明して、症状の初期に受診してもらうのが精いっぱいという所ですね。

そういった意味では刈谷さんだけの責任ではないと思うのですけどね・・・。

抗菌薬連用によるクロストリジウム腸炎

扶養の抗菌薬の処方を医師に依頼して服用していた患者がクロストリジウム腸炎になってしまったストーリーでした。

クロストリジウム腸炎はざっくり言えば本来腸にいる良い細菌達が抗菌薬にやられてしまい、繁殖が抑えられている悪い細菌が繁殖する事により発症する腸炎です。

患者はメトロニダゾールの投与で事なきを得ましたが、問題の焦点となったのは無駄な抗菌薬を出していた医師です。

抗菌薬の適正使用についてはずっと前から言われており、耐性化させないように極力使用しないのが常識になっています。

しかし、この患者のように抗菌薬を希望する患者は後を絶ちません。

診断を受ける事こそが最も重要なはずですが、薬を目的に受診する人には、風邪薬だけなど市販でも買える薬が処方される事は我慢ならないようです。

薬は極力少なく、適正に使用するべきではありますが、薬を出してくれないと患者が来ない、という経営とのジレンマもあるのかもしれません。

抗菌薬がどういったケースで必要なのか?については薬剤師が投薬する際にもしっかりと説明する事で患者のリテラシーを上げることができるのかもしれませんね。

最後に

今回の話はいづれも一般的によく利用する薬だった為、視聴者にも刺さったのではないでしょうか?

特に酸化マグネシウムや抗菌薬の乱用について患者としても連用には注意が必要だというメッセージを世の中に広めてくれたことには感謝したいですね!

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薬剤師モモ
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